核融合プラズマの遠隔リアルタイム予測制御を実証 - 1,000 km離れたスーパーコンピュータにデジタルツインを実現 -
世界で初めて、約1,000 km(往復約2,000 km)離れたスーパーコンピュータ上のデジタルツインを用い、核融合プラズマを遠隔リアルタイム制御することに成功しました。
プラズマ中の乱流の「一人二役」を発見 - 高精度観測で、乱流が「熱の運搬役」と「熱のつなぎ役」の2つの役割を持つことを世界で初めて明確化 -
釼持尚輝准教授、居田克巳特任教授、徳澤季彦教授らは、大型ヘリカル装置(LHD)において、プラズマの熱を急速に広げる役割を持つ「つなぎ役(メディエータ)」となる乱流の特性を詳細に捉えることに成功しました。
Microscale Turbulence Measurements Using Doppler Reflectometer and millimeter-wave Scattering System
T. Tokuzawa, T. Nasu, D. Nishimura, S. Inagaki, A. Ejiri, K. Ida, M. Yoshinuma, T. Kobayashi, K. Tanaka, A. Fujisawa & I. Yamada, “Microscale Turbulence Measurements Using Doppler Reflectometer and millimeter-wave Scattering System”, Journal of Fusion Energy 44 (2025) 53.
プラズマ閉じ込め性能を決める新たなメカニズムを発見- 大きい渦が小さい渦を引き伸ばしたり抑えつけたりしている -
徳沢季彦教授、居田克巳特任教授らの研究グループは、サイズの異なる二つの揺らぎを同じ場所で同時に観測できる高性能の乱流計測器を開発し、大型ヘリカル装置の高温プラズマの微小な揺らぎの観察に適用しました。
データ科学で未踏空間「プラズマ位相空間」に迫る —フュージョンエネルギー開発の課題解決に寄与―
小林達哉准教授、吉沼幹朗助教、居田克巳教授らの研究グループは、医療分野などで用いられているデータ解析手法「トモグラフィ」をプラズマ診断に適用し、未踏空間「プラズマ位相空間」における分布の変化を高速計測することに世界で初めて成功しました。
短時間加熱によりプラズマの熱と乱流の伝達が高速化
大型ヘリカル装置(LHD)において、プラズマ内の熱と乱流の伝播を調査すると、熱が短時間で与えられるほど熱の伝わる速度が大きくなることが分かりました。
Isotope effects on transport characteristics of edge and core plasmas heated by neutral beam injection (NBI) in an inward shifted configuration at the Large Helical Device
H. Zhou, Y. Xu, M. Kobayashi, A. Shimizu, R. Seki, K. Tanaka, T. Tokuzawa, M. Yoshinuma, Y. Takemura, H. Takahashi, K. Ogawa, J. Cheng, W. Li, D.N. Wu, Y.J. Zhu, Y. Luo, Y.C. Li, J. Huang, X.Q. Wang, H.F. Liu, H. Liu and X. Zhang, “Isotope effects on transport characteristics of edge and core plasmas heated by neutral beam injection (NBI) in an inward shifted configuration at the Large Helical Device”, Nuclear Fusion 64 (2024) 036023.
核融合プラズマのデジタルツインによる予測制御の初実証
核融合プラズマに対してデータ同化を行うシステムを開発し、新たに制御機能を加えて、核融合プラズマのデジタルツイン制御を行うことができるシステムを実現しました。
機械学習を用いたプラズマ分布解析手法を開発
ガウス過程回帰を用いてレーザー干渉計などの積分計測からプラズマの密度分布およびその空間変化率を推定する手法を考案しました。

